平成30年度化学系学協会東北大会(秋田大会)
ポスター賞受賞者紹介
A.無機化学/分析化学/環境化学 6件 |
1P011 永田祐希(東電大院工) |
1P014 伊藤健太郎(東北大院環境) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):この度はポスター賞に選定いただき、誠にありがとうございました。本研究は「ナノ空間でのレドックスサイクル」という電気化学測定で最も高感度な手法の1つを用いて、高感度なバイオセンサ開発を目指したものです。今後も研鑽に励み、より良いセンサ開発ができるよう研究に取り組んで参りたいと思います。 ・希望進路:博士課程後期 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など: ・指導教員名:珠玖仁教授 ・研究室名(高校生は部活名など):珠玖研究室 ・研究室HP(URL):http://www.che.tohoku.ac.jp/~est/ |
1P017 安永幹生(東北大院) |
2P009 橋本篤毅(山形大院理工) |
2P017 佐々木泰河(山形大院理工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):
π共役系分子の一種であるナフタロシアニンは近赤外光吸収が期待されている分子です。しかし非常に酸化されやすく、安定性に課題があります。本研究ではナフタロシアニン系分子とフラーレンを混合した溶液を用いてスピンコート法により薄膜を作製しました。これにより、薄膜上において二種の分子間でπ電子相互作用が発現し、ナフタロシアニンの安定性が大幅に向上したことが明らかになりました。
ポスター賞を頂き、驚いておりますが非常に嬉しく思います。 ご指導いただいた金井塚教授及び研究室の皆様に感謝申し上げます。 ・希望進路:化学分析機関 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:有機薄膜太陽電池 ・指導教員名:金井塚勝彦教授 ・研究室名(高校生は部活名など):機能性錯体研究グループ金井塚勝彦研究室 ・研究室HP(URL):http://sci.kj.yamagata-u.ac.jp/~kanaizuka/ |
2P021 瀬崎勇斗(秋大院理工) |
B.物理化学 5件 |
1P038 門口真之(東北大理) |
1P044 川崎渉(東北大院工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):この度は、化学系学協会東北大会ポスター賞に選出していただきありがとうございます。私どもの研究室では、イオン対を導入したn型有機半導体に着目した研究を行っています。カウンターイオン交換反応により、多様な分子集合体構造を簡便に作製できる利点があります。化学系学協会東北大会では、様々な分野の方々とのディスカッションを通して、有益な知見や新たな視点を得ることができました。今回の経験を糧に、今後もより一層研究に励んでまいります。 ・希望進路:博士課程進学 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:分子エレクトロニクス ・指導教員名:芥川智行教授 ・研究室名(高校生は部活名など):東北大学 芥川研究室 ・研究室HP(URL):http: http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/akutagawa/html/Homepage2010/index-j.html |
2P031 板谷昌輝(山形大院理工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):本研究は、自然界に遍在する自己組織化構造を形成することで知られる反応拡散系に着目し、それらの化学モデルの一つであるリーゼガングパターンの形成機構解明を目指した研究です。リーゼガングパターンは、例えば太陽系の惑星軌道間距離の数学的法則(Titius–Bodeの法則)などに類似した周期性を示すため、古くから自然界の規則的なパターンの形成モデルとして研究が行われてきました。しかしながら、今日に至るまでその周期性の形成機構は未解明であり、化学的なリーゼガングパターンと自然界の類似パターンとの対比が困難でした。そのような背景の中、近年、反応媒体の濃度・密度と相関を持つパラメーターの空間勾配により、リーゼガングパターンの周期性制御が可能であるとシミュレーションにより予測されました。しかしながら、その予測を裏付けるような実験結果の報告例は存在しておらず、反応媒体の濃度空間勾配とリーゼガングパターンの周期性の相関の実験的解明には至っておりませんでした。そこで、本研究では化学的なリーゼガングパターンの反応媒体であるゲルに着目し、それ自身の濃度勾配を有する勾配ゲルを作成しました。 その結果、勾配ゲルにおいて濃度勾配の急峻さによってリーゼガングパターンの周期性が制御されることを見出しました。従来は反応成分や外的環境(電場やゲルpHなど)などについての研究は盛んに行われていましたが、反応媒体の濃度による影響の報告例は少数でした。従って、本研究の成果によりリーゼガングパターンの形成機構解明に向けては、従来の理論に加え反応媒体の濃度空間勾配の影響を考慮した理論の構築が必要であると明らかになりました。以上を踏まえることで、化学的なリーゼガングパターンの形成機構に対して、反応基質および反応媒体の二つの視点を導入した普遍的なモデルの提案が可能になり、それらの知見を基にした自然界の類似パターンとの対比、さらにそれに基づく自然界の類似パターンの形成機構解明へと波及した自然科学的研究へと展開することが期待されます。 ・希望進路:山形大学大学院博士後期課程 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:非平衡・非線形化学、自然界や生命システムと化学反応系の共通原理 ・指導教員名:並河 英紀 ・研究室名(高校生は部活名など):山形大学 理学部 並河研究室 ・研究室HP(URL):https://www.nabika-lab.org/ |
2P035 川名萌枝子(東北大院工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):この度は平成30年度化学系学協会東北大会において、優秀ポスター賞を賜り大変光栄に存じます。本研究では、分子間アミド水素結合を形成する有機分子を対象において、強誘電性発現に対する直鎖アルキル鎖が果たす役割を解明し、詳細をポスターにて発表いたしました。本研究における強誘電性の発現は、固体中で形成されている分子間アミド水素結合の反転に起因しているため、温度依存IR測定および温度依存PXRD測定を用いて、分子間アミド水素結合と分子構造の状態について詳細な考察をするように努めました。今後の研究活動では、強誘電体や関連する材料についての知識を身に着けることで、さらに多角的な測定および考察ができるように努めていきたいと存じます。 ・希望進路:民間企業の研究開発職 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:メモリ材料開発 ・指導教員名:芥川智行 教授 ・研究室名(高校生は部活名など):芥川研究室 ・研究室HP(URL):http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/akutagawa/html/Homepage2010/index-j.html |
2P042 志賀美咲(山口大院) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):結晶を加熱することで、中心金属に配位した溶媒が脱離することで6配位状態から平面4配位へと、分子配列を保持したまま変化することを明らかにしました。当初、溶媒が抜けた構造が平面4配位であるということを支持してもらえませんでした。しかしたくさんの論文を読んだり、大学で測定できないものは他大に赴いて行ったりし、最終的にはSPring-8での実験にて「平面4配位は短時間だが存在する」ということを明らかにすることができました。今回のポスター賞は私だけの力で得たものではなく、諦めきれない!と泣いていた私を後押ししてくれた綱島先生や、お忙しい中装置を使わせてくださった方々の協力があってこその成果です。これからも初心と感謝を忘れずに研究していきたいと思います。 ・希望進路:学位取得後は海外、特にアジア圏で研究したいと考えています。海外での研究は、英語力の習得には適しているが、研究力を磨くのであれば日本に残る方がいいと言われています。ましてや英語圏以外は、言語の壁が双方にあり研究どころではないのでは、と助言されたこともあります。言われつつも、私がアジア圏を希望する理由として、中国に短期留学した際に、学生の学びや研究に対する貪欲さを目の当たりにしたことです。特に「中国は発展途上国だから、世界と戦うには研究や測定をする環境が良くない。だからここまでしないと負けてしまう」という彼らの言葉は、衝撃的で自分がとても未熟で小さく感じました。日本にいれば測定原理や最先端の技術を習得しやすい環境にあると思います。それでも私はどんな環境でもたくましく生きる研究者を目指すために、これから成長・発展しようとする国に行きたいです。そして雑草魂を持つ若者と誇りと野心に磨きをかけ、世界中で誰よりもアクティブに活躍したいです。 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:バイカラーな鉱物・宝石は、一粒の結晶内にグラデーションの様に色目がシフトしています。結晶が生成される過程において、元素が時間差をもって取り込まれることで、魅力的な模様が作り出されています。しかし自然界ならではの時間スケールであるため、実験室レベルでは結晶成長速度が速く、元素や分子が均一に混ざり合った単結晶が得られることがほとんどです。熱をはじめとする外部刺激により構造が変化しやすい金属錯体や分子性の結晶は、これまで多くの例が均一な系もしくは変化前後での構造や物性について調査されています。もし、分子性結晶一粒の片側に刺激を与え構造にムラをつけることができたら、魅力的な物性が発現するのでは…?と研究欲が駆り立てられています。博士課程の3年間では、不均一な構造を持つ単結晶の作製、構造調査および物性探索を行って、分子科学分野における新たな道の第一歩にしていきたいです。 ・指導教員名:綱島 亮 准教授 ・研究室名(高校生は部活名など):綱島研究室 ・研究室HP(URL):http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~ryotsuna/tsunashima/ |
C.有機化学 8件 |
1P051 湯澤玲介(東北大院薬) |
1P052 齋藤崇史(北大院総化・秋田大院理工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):私は現在、北海道大学大学院総合化学院からの依託学生として、秋田大学大学院理工学研究科を拠点に研究しています。秋田大学にて開始した研究内容について、東北地区で初の学会発表の舞台でポスター賞をいただき、大変光栄に思います。 今回私は、海産天然物ポーチミンの部分構造の新規合成法について発表しました。既存とは異なる合成法を開拓したことで、ポーチミン含む一連の類縁体合成における新たな指針になると考えています。また、発表当日は同分野の方だけでなく、様々なバックグラウンドをもつ方々と興味深いディスカッションをすることができました。分野の異なるお互いの研究を客観的且つ多角的に捉える機会は非常に有益であったと同時に、多くのセッションが同会場で並列して開催される東北大会ならではと感じました。今後も本学会で得られた知見・経験をもとに、広い視野で化学の発展に寄与できればと思います。 ・進路:製薬企業 (2019年4月より入社予定) ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:有機化学者の立場からみた分子生物学 ・指導教員名:藤原 憲秀(秋田大学 大学院理工学研究科) ・研究室名:生命科学専攻 生物機能分子合成化学・超分子化学研究室 ・研究室HP(URL):http://www.gipc.akita-u.ac.jp/~synsupra/index.html |
1P059 栁昌樹(日大工) |
1P062 松永周(山形大院理工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):このたびは平成30年化学系学協会東北大会においてポスター賞をいただくことができ、大変光栄に思います。 本発表では、高い分子配向性と溶解性を持つ有機半導体材料の開発を目的として、従来の長鎖アルキル基に頼らないヨウ素–ヨウ素相互作用を用いた分子配向制御を基盤とする新たなコンセプトのチエノアセン系有機半導体材料について発表いたしました。この研究で私は、化合物の合成から有機トランジスタのデバイス評価まですべてに携わって行うことができました。そうした愛着のある分子に多くの方が興味を持ってくださり大変嬉しく思います。 私自身、学会への参加はこの東北大会が初めてでしたが、この研究が伝わるのかという不安もありました。しかし、本発表で多くの方々からご助言をいただき、多角的な視点から研究に向き合うことで非常に有意義な時間を過ごすことができました。また、今後の研究もより一層精進していきたいと思います。 ・希望進路:博士後期課程 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:有機半導体材料 ・指導教員名:片桐 洋史 ・研究室名(高校生は部活名など):片桐研究室 ・研究室HP(URL):http://katagiri.yz.yamagata-u.ac.jp/ |
1P076 福士和希(東北大院薬) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):ヒト癌細胞に対し非常に強力な増殖抑制活性を示す天然環状デプシペプチドapratoxin Aについて、独自に設計した類縁体の全合成と活性評価を通じ、一つある水酸基が活性発現に非常に重要な働きをしていることを初めて明らかにしました。 ・希望進路: ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:コンビナトリアル化学 ・指導教員名:土井 隆行 先生 ・研究室名(高校生は部活名など):反応制御化学分野 ・研究室HP(URL):http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~hannou/index.html |
2P046 中西大志(東北大院理) |
2P064 小湊悠介(山形大院工) |
2P073 村山亮太(山形大院工) |
D.化学工学 2件 |
1P086 谷口賢吉(岩手大) |
2P083 豊田慎一郎(東北大院工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):この度は平成30年度化学系学協会東北大会ポスター賞に選んでいただき、誠にありがとうございました。本研究はナノフルイド用粒子として応用が期待される有機修飾ナノ粒子の分散・凝集挙動を数値シミュレーションにより視覚化し、粒子-平板間相互作用力が及ぼす影響を明らかにしました。今回の受賞を励みに今後もより一層精進して参ります。また、本ポスター発表にあたり、ご指導をいただきました多くの方々にこの場をお借りして心より御礼申し上げます。 ・希望進路:就職 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:企業における化学技術に対する関わり方について ・指導教員名:塚田 隆夫 教授 ・研究室名(高校生は部活名など):塚田研究室 ・研究室HP(URL):http://www.che.tohoku.ac.jp/~pcel/indexJ.html |
E.高分子化学/繊維化学 4件 |
1P095 花田舞結(岩手大院理工) |
1P106 高橋尚也(山形大院理工) |
2P097 林英輝(秋大院・理工) |
2P102 杉島小雪(秋大院・理工) |
F.材料化学 3件 |
1P121 山畑仁伸(秋田大院理工) |
2P115 菅原諒祐(秋大院理工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):この度は優秀ポスター賞という名誉ある賞を受賞することが出来、大変嬉しく思います。この賞を目標の一つとして研究に尽力し、来年度も良い成果を発表出来るようにより一層頑張ります。 ・希望進路:就職 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:レアメタル ・指導教員名:村上 賢治 ・研究室名(高校生は部活名など):応用物理化学研究室 ・研究室HP(URL):http://www.gipc.akita-u.ac.jp/~physchem/ |
2P119 安野恵理(秋大院理工) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):この度、優秀ポスター賞を受賞できたことは大変光栄に思います。私の研究は、吸着剤として用いられているメソポーラスシリカ(MS)にマグネタイトと感温性高分子を修飾させることで、MSの機能性向上を目指しております。合成方法の開発段階では、手探り状態で行うことが多く、失敗の連続でした。その中で、日本化学系学協会東北大会で発表することができ、また、賞を受賞できたことは自分への自信につながり、研究へのモチベーションを保つことができました。今後も、初心を忘れず研究活動を行っていきたいと思います。本当に、ありがとうございました。 ・希望進路:就職 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:多孔質材料 ・指導教員名:村上 賢治 ・研究室名(高校生は部活名など):応用物理化学研究室 ・研究室HP(URL):http://www.gipc.akita-u.ac.jp/~physchem/ |
G.電気化学 4件 |
1P128 坂内亮祐(岩手大院工) |
1P130 田中康之(秋田大院理工) |
1P138 藤島凌(岩手大院理工) |
2P125 寺井崇人(東北大院環境) |
H.化学教育 3件 |
2P131 岩渕陽, 笠原康太郎,加藤魁晟,佐々木偲人,佐藤理来, 平戸李奈(仙台三高) |
・受賞者コメント(受賞した研究のアピールポイントなど):目標であった賞を受賞することが出来て大変光栄です。昨年先輩が受賞したときに「次は自分たちの番だ」と思いました。研究内容は, 有機溶媒を用いて無電解めっきを行うことです。具体的には銅に金と白金のめっきをしました。ポスター発表では, 多くの方々に時間をかけて聞いてもらえました。そしてたくさんの質問もされました。また今後の展望なども指導していただき本当に感謝しています。 ・希望進路:国立大学の理数系を目指しています。 ・今現在、化学で興味を持っている事柄など:薄膜です。 ・指導教員名:菅原 佑介 ・研究室名(高校生は部活名など):宮城県仙台第三高等学校 自然科学部 化学班 ・研究室HP(URL):http://sensanchemistry.wixsite.com/daisan-chemistry |
2P136 高澤瑞希(宮城一高) |
2P137 武田伊織,山岸賢司(日大院工) |